ここはM-208研究室です
「ヒデ父さんと娘のアキ」さん
昨年、中学1年でやった自由研究『メダカの生育環境パート1(明るさ)』
1 観察の動機
小学校高学年の時、メダカの雄雌の違いや産卵などについて学習しました。 そ
のとき、教室で飼育していたメダカを数匹家に持ち帰り世話をしているうちに、育つ
環境によってメダカの生態にどの様に差が出るのかを調べてみようと思い、今回パー
ト1として「明るさの違い」に的を絞り、観察してみることにしました。
2 必要な用具は
(1) もちろん水槽 (2) エアーポンプ・エアーストーン・エアーホース
(3) 成魚のエサ (4) 稚魚用のエサ (5) 水草(キンギョソウ・ホテイアオイ)
(6) カルキ抜き剤 (7) 水温計 (8) 温度計(気温) (9) すくい網
(10) 掃除用具 (11) 天敵防止網(水槽の上にかぶせる金網)(12)段ボール箱
(13) 電球 (14)物差し (15)スポイト (16)ピンセット (17)顕微鏡
3 雄と雌の違いは
雄は
(1) 背びれに切れ込みがある
(見分けるのにはこれが一番分かりやすいと思います)。
(2) 尻びれは雌と比べて全体に長い。
(3) 体全体は平行四辺形です。
雌は
(1) 背びれには雄の様な切れ込みはない。
(2) 尾びれは雄より短い。
(3) 体は三角形に近い形をしている。
(4) 雌は大きくなると、雄よりお腹がふっくらしてくる。
4 魚の体の構造はこうなってます(絵は作品には書いてありますが、今回は省略)
【体の計り方】
(1) 全長は口先から尾びれの先端まで。
(2) 体長は口先から尾びれの付け根まで。
(3) 体高は腹びれの付け根から背中まで
【魚の主な内蔵気管は】
(1)えら (2)食道 (3)浮袋管 (4)浮袋 (5)腎臓 (6)卵巣
(7)心臓 (8)肝臓 (9)脾臓 (10) 肛門 (11) 膀胱
などでできています。
5 基本的な飼育方法
飼育するための基本を色々と調べてみました。
(1) 飼育する場所は外が良い。
[理由] 外は日光が当たるし、より自然な環境にした方がヒメダカのために良い。
(2) 必ず水草を入れてやる。
[理由] ヒメダカの産卵場所になり、水もきれいにしてくれる。
冬は落ち葉で良い。
(3)エサは少しずつ与える。
[理由] 残ったエサは水を汚すので、朝1回で良い。食べない時は他のエサも試す
(4) 水はこまめに半分位ずつ換える。
[理由] 水道の水は消毒(塩素)がしてあるから、そのまま入れると死んでしまう
1日以上汲み置きした水か、カルキ抜きを入れる。
(5) ヒメダカの天敵に気をつけよう。
[理由] 猫やカエル、鳥等が狙っているから網をかぶせてやると良い。
(6) 水温が急に下がる日には注意しよう。
[理由] ヒメダカが体調を壊しやすい。
(7) 早朝に産卵することが多いので、朝のエサやりの時は注意する。
(8) 雄と雌が良くくっつきながら泳いでいたら産卵が近い。
(9) 産卵が近くなると、雌のお腹がふっくらとしてくる。
(10) 暑過ぎたり、寒い時期は産卵しない。
(11) 夏は日中、涼しい所に水槽を置くと産卵しやすい。
(12) 卵を雌の尻から水草に移したら、親と別々に飼う。
[理由] 親に食べられるのを防ぐ。
(13) 稚魚は日陰(明るくて暑くならない場所)に置き、そっとしておく。
(14) 稚魚の方の水はあまり交換しない。
[理由] 生まれたばかりの時は、あまり水質を変えない方が良い。
(15) 卵がいつまでたっても白く、カビが生えてきたら無精卵。
6 環境の違いによる飼育の観察
(1) 観察方法
同じ様な大きさの水槽を3本用意して、それぞれにカルキ抜きした飼育 水を同容
量と水草(キンギョ草・ホテイアオイ)を入れます。そして、ヒメダカを10匹
ずつ入れてエアーストーンで酸素を補給しながら、次の環境で飼育を始めます。
○ Aの水槽
水槽にダンポール箱をかぶせて24時間真っ暗な状態にして観察します。
○ Bの水槽
普通の状態で観察します。
○ Cの水槽
24時間電球を点灯して昼間の状態で観察します。
(2) 予想
Aの水槽では24時間日光が当たらないため、ヒメダカはあまり活動しない
と思います。エサもあまり食べず、産卵もしないと思います。死ぬ数 も多いかも
しれません。
Bの水槽ではヒメダカは普通に生育すると思います。エサも良く食べ産卵も良
くすると思います。
Cの水槽ではAと逆で昼も夜も明るいのでヒメダカが寝不足になり生育の状
態は悪くなると思います。
(3) 観察結果
※ A・B・C水槽の観察日記を平成13年8月5日から同8月31日まで
作りました。
a 天気と気温・水温
8月は大型台風が上陸しましたが、急激に気温が下がった日はありませ
んでした。水温は1 日中、真っ暗にしておいたA水槽は22℃から29℃の間で、
平均は25,4℃でした。普通にしておいたB水槽は20℃から32℃の間で、温
度差が一番あり、平均は25℃でした。昼の状態にしておいたC水槽は22℃か
ら32℃の間で平均は27℃となり、やはり一番高くなりました。
b ヒメダカの様子
最初は環境に慣れず、死んでしまったものが何匹かいましたが、日が経つにつれ
て環境に慣れて死ぬメダカはいなくなりました。水温も20℃以上で暖かかった
ため体調を壊すこともなく、エサを良く食べ、元気に泳ぎ回っていました。
c 産卵の様子
1日中真っ暗にしていたA水槽の雌は産卵しませんでした。普通にしていたB水槽
と1日中昼の状態にしていたC水槽では良く産卵しま した。その中に白い綿状のも
のが付いている卵もあり、最終的にふ化しませんでした。
d 稚魚について
今回は稚魚が生まれた所までしか観察記録として残せませんでしたが、このまま引
き続き観察を続け、その結果を次回パート2に載せたいと思います。
7 卵の変化
(1) 8月17日に産卵 =直径1mm位の大きさ
(2) 産卵後2〜3時間 =2つの細胞ができる
(3) 産卵後4〜5時間 =8つの細胞にわかれる
(4) 産卵後8時間以上=卵黄がはっきり確認できる
(5) 産卵後32時間以上=頭になるところと尾になるところが確認できる
(ここまでは30倍の顕微鏡でも確認できない)
(6) 産卵後50時間以上(8月20日)=メダカの形ができてきて目が確認できる
(ここから肉眼で眼球だけが確認できる)
(7) 産卵後68時間以上=心臓が動き出す
(8) 産卵後96時間以上=心臓の動きが活発になり胸ひれ・血管・脳が確 認できる
(9) 産卵後7日目頃=卵の中で盛んに運動する
(10) 産卵後9〜10日頃=口まで確認できる
(11) 産卵後11日目(8月28日)=卵がふ化し稚魚(全長2〜3mm)が生まれた
8 今回のまとめと課題
環境の違いのため、死んでしまったものもいましたが、1ヶ月を通して台風が来た
2日間以外は全体的に気や気温に恵まれ、水温も安定してヒメダカが過ごしやすい環
境になったようです。
水 槽
C水槽 A水槽 B水槽
内 容
(24時間明るい状態) (24時間暗い状態) (普通の状態)
水槽内の汚れ方
・ 緑色のコケが水槽 ・ 水底にエサと ・ 水底にフンが残る程度。
中に発生し、水が濁る フンが残る程度で A水槽よりは 汚れていた。
のが一番早かった。 水は余り汚れなかった。
・ 水換えの回数が ・ エサの食べ残 ・ フンの量が一番
一番多い。 しが多かった。 多かった。
・ 水換えの回数が一番少ない。
水の減り方
・ 一番多い。 ・ 一番少ない。 ・ 気温の高低によって変化した。
(高温時→多、それ以外→少)
産卵の有無
有 無 有
ヒメダカの様子
・ 元気でエサも良 ・ エサを余り食 ・ 一番元気で、1回目の
く食べた。 べなかったが、 産卵が 始まると毎日の様
思ったより元気 に産卵を繰り返した。
だった。
死 ん だ 数
0 匹 3 匹 1 匹
予想と比較して
・ 産卵はしたが、 ・ ヒメダカが死 ・ 産卵の数が一番多く、
B水槽より数は少 んだ数が一番多かった。 ほとんどの稚魚がB
なかった。 ・ 暗いと活動が 水槽の卵だった。
・ 卵を水草に付け 鈍り、そのため ・ エサを残さず
なかったので、水 エサを食べる量 食べて元気に泳
底にほとんど落ち が少なかった。 ぎ回っていた。
てしまった。 ・ この水槽だけ (予想通りだった)
・ 予想通り結果は 産卵しなかった
悪くなかった。 やはりヒメダカ
の体調に影響が出た様だ。
(全般的に予想通りだった)
今後は稚魚の成長する様子を引き続き観察すると同時に、飼育水の違いによる比較や
越冬について観察していこうと思います。2002.4.13
昨年(平成13年)の夏休みの自由研究『メダカの生育環境パート1(明るさ)』
で上尾支部科学教育振興展覧会で最優秀賞、北足立地区科学教育振興展覧会で優秀賞
という栄えある賞を頂きました。長くも短い道のりになると思いますが、親子が同じ
目標で観察していく、それが楽しいんですよね。埼玉県の『ヒデ父さんと娘のアキ』
メダカスクール