78回転レコードを聴くその2

 古い78回転レコードを時々見るが丁寧に扱われ保存状態の良い物はLP、CDと同等
以上の再生音が得られると信じて疑わない。78回転レコードの音を体験するには当時の
高級蓄音器を用いる方法が最良だが非常に難しく経年劣化も少なからず考えられる。そこ
で手軽な電気式でめざすがそれなりの工夫を必要とする。

78回転レコードを楽しむには戦後家庭の必需品となった五球スーパーとレコードプレー
ヤー(78回転付き)の組み合わせが最も簡単だがどちらも古いから完動品として残る物
は際めて稀である。引き出し式の3スピードの上に五球スーパーが乗るがどちらも故障品
で自分で修理した。プレーヤーのクリスタルカートリッジが経年劣化で全く出力電圧が発
生せず後年作られた別の装置から取り外したセラミック型と思われる物と交換した。クリ
スタル型は未使用品でも現存する物は殆ど死んでいる。78回転レコード用のサファイア
あるいはダイヤ針はロネット型が今でも市販されているから当分は入手に困る事はない。
音量調節の可変抵抗器はたいていが雑音発生器に化けている。簡単に分解できるから可
動接続部?を入念にシンナー等で清掃して元に組み立てると使えるようになるが慣れを
必要とする。万一直らない時は代替品を部品販売店で買い求めて交換。五球スーパーの方
は出力トランスの断線等が少々やっかいだ。ワックスで固めたペーパーコンデンサーは絶
縁低下で全て交換を要するが現在入手不能でフィルムコンデンサーで置き換えるがフィル
ム型は性能が良すぎる。海外製にペーパー型があるが @2, 000 円 では多用するので無
理。真空管は保守用がかなり後まで作られたからお金さえ出せば当時のままの化粧箱入が
買えるから心配はない。もとの音色に甦るかどうか確かめようがないがうるさい事を言わ
ずにこれで78回転レコードを聴こう!圧電型カートリッジと五球スーパーの周波数特性
の狭さがうまく整合して78回転レコード特有の針音が気にならない。意外なほどの説得
力のある音が飛び出すのに驚かせる。五球スーパーの音声増幅部を利用するのは簡便だ
が78回転レコードの良さを十分に発揮させる事はできない。また肝心のレコードが無け
れば装置の性能をどんなに高めても無駄に終わってしまう。幸にも極上のレコード?は
相当量残っている。

 裏蓋を外した五球スーパーの音声増幅部に6ZDH3A、42、6ZP1等の球が並ぶ。
電気回路、真空管が同一でも構成部品の銘柄、製造時期で音色が異なる事を知る。回路が
単純な昔は構成部品、特に増幅素子の真空管が音色に大きく影響を与える事は当たり前
だった。何台か所持する五球スーパーはそれぞれの音色を持ち、戦前の真空管となると
米国製と和製(当時はそう呼んだ)ではかなりの違いが出る。78回転レコードに合う真
空管を探そう。忘れられた音をぜひ聴いてください。
     (このページについての問い合わせは下記までご連絡下さい)
ラジオドクターYOSHIDA

 吉田靖夫
945/新潟県柏崎市諏訪町11-43
TEL.0257-22-4512

その1へ